演舞場発 東寄席 第七回

演舞場発 東寄席 第七回 2015年8月26日

毎回大盛況の「演舞場発 東寄席」七回目を迎える今回は、「落語と大分・宇佐うまいもんを楽しむ会」と題して、大分・宇佐市の美味しい食事もお楽しみいただきました。

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今回ここ地下食堂『東寄席』に初登壇となりますのは今年で芸歴三十周年の桂文治師匠です。
「桂」の亭号で最も由緒ある大名跡十一代目「文治」を襲名されました。

本寸法の古典落語と明朗快活な芸風で沸かせる話し芸は円熟の度合いにますます磨きがかかり、寄席でも大人気の噺家です。

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はじめに、甘くさわやかな味わいのゆず酒を食前酒に、その後「西の星」といった焼酎が振る舞われ、テーブルに用意された美味しい会席料理といただきます。

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今回は、師匠のご出身でもあり、ご自身が観光大使でもある大分県宇佐市の食材やお酒をお楽しみいただきました。

お料理は夏らしい鱧を使った煮こごりや、大分の名産、縁起の良い勝ち海老の煮浸しなど、目にも鮮やかなお料理が並びます。
絶品の特産品を演舞場の調理長が特別に仕立てました。

お酒は5品。はじめの食前酒は柚子の産地ということで、名産の柚子酒「常徳屋ゆず」を。
下町のナポレオン「いいちこ」をはじめ、香りが良く飲みやすい麦焼酎全国一位の販売実績がある三和酒類㈱より焼酎「西の星」。

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また、ぶどうの産地でもあるということで、文治師匠の出身と同じ名前の安心院(あじむ)ワインの赤と白は甘さと爽やかさが特徴的な味わい深いワインでした。

日本酒は「豊潤」といったお酒が振る舞われ、その美味しさに会場はなんとも心地よい雰囲気に包まれていました。

 

そうして会場がほんのりと温まったころ、文治師匠のお弟子の桂たか治さんが開口一番始めます。

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「えー、よく我々の方ではね、知ったかぶりのお話なんてありまして、これはあるお寺のお話でございますが」
調子よく軽快な語り口で始まる「転失気(てんしき)」の落語に、会場の注目が集まります。

和尚と珍念の軽快なやりとりに、誰もが釘付けになりました。

落語のファンのお客様もたくさんお見えになって、若手の落語家さんといってもその絶妙な面白さと今まさに伸び盛りといった成長ぶりに、
「今回の珍念の登場の場面はいつもより長いのが出たねぇ」「随分上手くなった」 などと会場でも大満足の様子でした。


会場が温まった頃、いよいよ桂文治師匠の登場です。

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文治師匠の「源平盛衰記」といえばファンの方なら、よく知れたもの。
全部頭に入っているけれど公演ごとにすこしずつ変化をもたせ、前の公演のおさらいの形で披露するといった師匠とファンだけが知る「源平盛衰記」のお楽しみです。

「おさらい」と口にせずとも もちろん、ご期待を外しません。初めて落語に触れた人の心も掴んだら離さぬ、なんともパワフルな落語です。
「祇園精舎の鐘の声〜」とひとくさり述べると、会場は一気にタイムスリップしたかのような想像力を掻き立てられます。

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そうかと思うと文治師匠のそのまた師匠のお話が飛び出します。

「師匠は顔もよかった、高松英郎さんみたいな顔をして。だから楽屋で年中噂が絶えなかった。老若男女・・・動物を問わず。」なんて続く。
これにまた、これでもか!ええい、これでもかとふんだんに落ちに、落ちをつけて会場の笑いは絶えませんでした。

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仲入り15分を終えても、一席目のお噺ですっかり打ち解けたお客様の心を捉えて離さず、二席目の噺ではお客様からも合いの手が。
会場はまさに一心同体といった雰囲気に包まれました。

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師匠のお噺は、誰もが聞き入り一体となる。客席から合いの手のように声もかかる。
師匠のお噺の中には笑いあり、知識あり、師匠の粋な歯笛でウグイスが鳴く。
その度会場には「ほう」とか「へえ」とか拍手が響く。
最後の最後まで陽気で愉快、大満足といった雰囲気でした。


落語の後は、師匠のご出身の大分県宇佐市から市の観光まちづくり課のみなさんから食材のお話や町の観光スポットなどをご紹介いただきました。

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日本一の温泉県である大分県の宇佐市には、数々の名産やみどころが満載です。
宇佐市にある宇佐神宮は宇佐八幡宮ともいって全国に三万とも四万ともあると言われている八幡宮の総本宮だそう。
ほかにも宇佐市には柚子やどじょう、ネギやすっぽん、からあげやお酒、おいしいグルメもみどころも満載の町です。
なんともブランド力のある町のようです。

今回のお料理でご提供いただいた、勝ち海老とうさ唐揚げ、ソーセージ、干ししいたけを使った炊き込みご飯はとても味わい深く、懐かしい家庭の雰囲気に会場は安心感と楽しい雰囲気に包まれました。

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最後はお楽しみ抽選会と盛りだくさんのイベントで会場をまた沸かせました。
文治師匠のサインや、落語手ぬぐいや文治師匠の独演会のペアチケットなど、大盛り上がりでした。

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お土産に宇佐市の名産のつまったバッグをいただきました。

落語と師匠の故郷を大いに満喫した楽しい時間、終始笑顔の絶えない三時間でした。

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