演舞場発 東寄席 第二十六回

演舞場発 東寄席 第二十六回 2017年5月30日(金)

花柳界の真ん中のお座敷で大正・昭和のいい時代の古き良き時代のお遊びを。第26回を迎えた『落語と日本酒と江戸野菜を楽しむ会 in新橋演舞場』は今宵も満員御礼大盛況の運びとなりました。
『第二十六回 落語と日本酒と江戸野菜を楽しむ会 in 新橋演舞場』三遊亭兼好

落語会の革命児、三遊亭兼好師匠をお迎えし、高座をお楽しみいただきながら、新橋料亭街の伝統の味を受け継ぐ特別献立と合わせた地酒を楽しめる会です。この日のお酒は兼好師匠のご出身地でもある福島・会津の国権酒造のお酒であわせ、お食事には師匠が現在お住まいの足立区で採れた足立区名産の”あだち菜うどん”をご賞味いただきました。地のもの東京は伝統野菜の”伝統小松菜”をあわせて。兼好師匠に合わせたケンコウ(健康)つながりといった、盛りだくさんなお品書きで今宵もお楽しみいただきました。

落語を楽しむ

開口一番 『黄金の大黒』三遊亭じゃんけん

開口一番は兼好師匠と同じく、こちら東寄席では二度目の登壇。師匠の二番弟子の三遊亭じゃんけんさんです。高座に着くなり挨拶で「三遊亭じゃんけんと申します。わたくしから皆さまにひとつだけお願いでして、携帯電話やスマートフォン大変よく鳴るんでございますね。今のうち電源をお切りくださいますようおねがいします。」と物腰柔らかく注意を促し「これでわたくしの仕事は全て終わりです。」とサゲる。どっと会場を和ませました。両国の初登壇からようやく一年。一段と頼もしく、会場を笑いに包み演目へ。長屋住まいで長いこと家賃を払わない連中の愉快な『黄金の大黒』で会場をあたためました。

一席目 『天災』三遊亭兼好

三遊亭兼好

つづいて”さんげさんげ~”と出囃子が鳴り響き、兼好師匠が高座にあがります。
どこからともなく掛け声がかかります。

満席の会場が兼好師匠の登場に、期待を寄せ、椅子の配置をより正面に向けて待ち望みます。
「わたくしが三遊亭兼好ともうします。どうぞお手荷物にもなりませんので、名前だけでも覚えていただければ」といってさっそく会場を沸かせます。
今宵会場を包む旨い酒と料理の匂いはちょうど師匠のいらっしゃる高座のあたりに漂うようで、「場末のラーメン屋とちがいまして。いい匂いだから、あ~のみたいな、食べたいなとなるわけですよ。軽い拷問みたい。」と笑わせます。「一生懸命はやりますが、ただ、無意識のうちにはやく終わろ うよーというわたくしが出てきてしまうかもしれません。二席やるところが、兼好さん20分で終わっちゃった!なんてなったらごめんなさい。」と人懐こく言って会場中を大笑いに。明るく楽しく元気よく、といった師匠の持ち味で惹きつけます。
こんな感じで最近の物騒な国際問題についても人懐こく、それは驚くような笑いの話題にしてしまうのだからなんと話の調理のうまいことか。

三遊亭兼好

物騒な話しが嘘のように、笑い続けたまま、一席目の演目『天災』に。
兼好師匠の落語は非常にメリハリ、抑揚があって、キャラクターがはっきりとわかりやすいことも人気のよう。
落語の登場人物とは名前で人物の性格や役どころがほぼ決まるもの。しかし、これがまた噺家によって少しずつその役に差異が生まれるから面白いものです。乱暴者な江戸っ子八五郎は、前回の東寄席での一朝師匠のお噺にも登場しましたが、こちらは江戸っ子の粋でもって喧嘩っ早い人物を描きそれがまた良いと客席を唸らせたものでしたが、兼好師匠の八五郎は喧嘩好きなお祭り男のよう。「人の喧嘩を横取りして、相手があとで”お前誰だ?”と聞くほど。喧嘩ときいたらどこでも首を突っ込む」といった人物像だから威勢のいいキャラクターも兼好師匠なりのコミカルな味わいがあって、誰でも気軽に笑えるおもしろさが生まれます。

坊主に裾を水かけられれば、「頭のここ(おでこ)んところを、トントントントントン~と自分の名前を忘れるほど叩くね」とリズミカルな音を挟むことで抑揚が生まれ、細い路地の瓦が落ちてくれば、住人の居ない空き家でも上がり込んで見栄を切る。勢いあまって見栄を切り、あとで空き家と聞いて我に帰る気の弱さなども兼好師匠流の八五郎はこれまた愛すべきキャラクターとなり、たちまち会場を笑いに変えていきます。大笑いで目頭を拭うお客様もいらっしゃるほどの盛り上がる一席でした。

二席目 『竹の水仙』三遊亭兼好

三遊亭兼好

黒紅色お着物と練色の羽織着替えた師匠は二度目の登壇も深々とお辞儀をし、”かっこいい”と会場の掛け声を誘います。「えー、もう一席おつきあい願います。そんなに長い話しはしませんが。」すかさず、会場の心を捕らえます。
枕では東武鉄道が会津特急を開通するといった話題でしたが、それを待ち望むどころか「もう、そんな早くなくていいでしょ。早いのは京急さんとかが、赤いし、気合入ってるでしょ?」といって、もう会場は親しみのある笑いに委ね高らかに声をあげます。

三遊亭兼好

昔は会津にいくのには”三泣く”といって「行くまでに遠くて泣く、行って人情に泣く、帰り難くて泣く」といったようで、最近については特急で行って美味しいもの食べてさっと帰るため、地元の人が寂しがるんです、と語ります。そんな笑いに旅情を醸す枕を選び、二席目の『竹の水仙』を走らせます。

三遊亭兼好

小さくボロい宿屋を営む夫婦。その夫が連れてきた客が10日も居座り、酒と肴をあおり居座る。怪しいとおもって宿代を請求すると金がないが、竹細工を売った金で支払いをする、、といった話しですが、やはりみどころは師匠の演技力。落ち着いた初老の老人と、気の弱い旦那を尻に敷くカミさんとその旦那。その三役を見事にこなします。

 特にカミさん役たるや、ガミガミと亭主に当たり散らしたかとおもえば、左手の指先で自分の襟元をつまみながら這わせ、首のあたりから胸元ま動かしながら「あのひと、私のことを狙ってるんだから、わかるでしょ。」と上目づかい。これには、「この役を見たかった!」と思わず客席から漏れます。もちろん気鋭のエンターテイナーは最後まで抱腹絶倒、大爆笑で一寸足りとも離しません。まさに”たっぷり”な二席をお楽しみいただきました。

味覚を楽しむ

演舞場の美味を楽しむ

○演舞場の美味を楽しむ

今宵の献立もお酒に合う旬の味わいをご用意しました。初夏のこの時期、先付けには蛸や胡瓜を梅肉でさっぱりと。冷えた冷酒がすすむ一品です。 また、お弁当にも冷酒に合うかに味噌入りに塩辛や、公魚のさくさく揚げといった食感も楽しい品々を。目に青葉、カツオのたたきはポン酢でさっぱりと、茗荷竹妻、おろし生姜で。 日本酒の会では鮭の西京焼きをきゃら蕗 はじかみ添えてご賞味いただきました。

足立区の味覚 あだち菜うどん

足立区の味覚 あだち菜うどん

3.11震災以降、足立区を盛り上げるためにNPO法人あだち菜うどん学会の設立とともに開発されました。思いを込めたそのうどんについて理事長の渡井さんが説明してくださいました。うどんの開発は、区の歴史や名産にあわせ、歴史的遺産である易行院に祀られる助六と花魁の揚巻をパッケージにあだち菜のうどんとパスタを商品化して販売しています。今宵はご飯替りとしてそのうどんの味わいを存分にお楽しみいただけるよう少量の汁をつけていただきました。

伝統小松菜“五関晩生”

江戸東京野菜 伝統小松菜“五関晩生”

うどんの上に添えられた小松菜は掛け合わせではない原小松菜の伝統小松菜を。あだち菜とは違う小松菜のコラボレーションをお楽しみいただきました。小松菜を作っているTYファームの島田さんは小松菜栽培は雑草抜きに追われ、花が咲き、すると種ができて自然とその種がこぼれてしまうためその種の収穫にも勤しむのだそう。。しかし、その種のひとつを繋いでいくことの役割の尊さを思いながら作っているそうです。

4月オープンのカフェ&デリカテッセン「NOZ(天王洲アイル)」も大盛況のTYファーム。これからも期待が上がります。

お酒を楽しむ

演舞場の美味を楽しむ

この会ではおなじみもうすぐ100年を迎える酒店の望月商店、望月太郎さんのご紹介の酒造は国権酒造。師匠のご出身地でもある福島・会津の酒造です。望月さんいわく、代表の細井社長「落語が大好きで、もしかしたら酒より落語を愛している男かもしれません」というほど落語好き。社長ご自身も「兼好師匠と福山雅治さんは同い年ですが、会津の人間は兼好師匠が人気です」といって会場を笑顔に変えてらっしゃいました。そんなサービス精神旺盛な細井社長は国権酒造の六代目。全国鑑評会で10年連続金賞をとっている実力のあるお酒を作っています。去年の初春の東寄席でもこの夜と同じ「小法師」「てふ」とその美味しさを提供してくださいましたが、今回はそれに加え、今夏出来たてのいまだ市場に出回る前の貴重なお酒「スワローラベル」とこちらも丁寧に仕上がった「銅ラベル」を加えた四種をご用意いただきました。

(写真右から)

○国権 小法師 特別本醸造生貯蔵酒
「会津の縁起物といえば、赤べこ 兼好 起き上がり小法師 !?」可愛らしいラベルに、開演前のひとときを笑顔に変えます。はじめは口に含んでマイルドな甘さを味わいながら、のどを通るとスーッと消えていくその美味しさで、呑めば小法師のように嬉しい笑顔を見せ合う様子も。

○国権 てふ 純米生吟醸酒
こちらもラベルが可愛らしい。奥会津の気候と風土を活かした国権酒造ならではのデザイン。てふは会津のオオムラサキを描いたもの。柔らかな甘みから後味のスッキリとした味わいもスッと消え行く、そんな儚さににた繊細な味わいをオオムラサキにたとえています。

お酒を楽しむ

○スワローラベル 純米吟醸原酒
福島県のハイテクプラザと共同開発してできた一種。 夏酒が市場に出てない出来たてほやほやのお酒です。はちみつのようなほのかな花のような優しい味わい。

○国権 銅ラベル 純米吟醸酒
こちらも華やかな香りが立つ味わい。食事と合わせるとその美味しさが、深みを増します。何度呑んでも飽きのこない銘酒。細井社長自ら、会場の皆さまに注いでお届けしました。

お楽しみ抽選会を楽しむ

お楽しみ抽選会

 今宵の締めくくりは、こちらも恒例となりました抽選会です。本日を思い返す工夫を凝らした楽しい品々が勢揃い。
番号札を見ながら、お酒とお食事を楽しみながらその余韻に浸る和やかなひとときでした。

お楽しみ抽選会

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