演舞場発 東寄席 第三十二回

演舞場発 東寄席 第三十二回 2017年10月26日(木)

 本日は『第三十二回落語と日本酒と江戸野菜を楽しむ会 in 新橋演舞場』にお越しいただき、誠にありがとうございました。
『第三十二回 落語と日本酒と江戸野菜を楽しむ会 in 新橋演舞場』柳亭市馬

  秋も深まってまいりました。東寄席、三十二回目の開催となります。会場にはアンケートで次回聴いてみたい噺家として毎回大勢のお客様から熱望頂いておりました柳亭市馬師匠に、念願かなって初登壇いただく運びとなりました。「唄う正統派」としても知れた市馬師匠の美声と本寸法の話芸をたっぷりとご堪能いただきながら、お酒は老舗創業が生む新ブランド「一白水成」で酔いしれるといった新橋で味わう五感の極みをお楽しみいただきました。それでは振り返りご紹介いたします。

味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

  食欲の秋。旬の恵みが豊富なこの時期にお酒がすすむ味わいの献立をご用意しました。
帆立を明太と和えた先付けに、八寸には蛸を磯辺揚げして風味良く。分葱、烏賊、若布をぬた和えして、ふぐは煮凝りにし味わい良く。野菜と蛸をにんにくをきかせたアヒージョにして。日本酒を楽しむ会ではカレイの柚庵焼きと、花れんこん、梅ザーサイを添え。うめじゃこごはんと、結び鱚の吸い物でしめます。最後の水菓子には豆大福を。彩り豊かな味覚を揃え、季節の風味をご用意しました。

本日の江戸東京野菜 TYファームの「みやま小かぶ」

みやま小かぶ

  本日の江戸東京野菜は、まさに今が旬の「みやま小かぶ」をお召し上がりいただきました。TYファームの島田さんいわく、「まさに今食わないでいつ食う、という旬のものです」とその美味しさのつまるお野菜についてご紹介いただきました。9月ごろに種を蒔きひと月半ほどで収穫ができる小かぶは「金町小かぶ」と「樋の口小かぶ」の自然交雑させて選抜固定させた品種。「金町小かぶ」はホームセンターで種が販売されていますが、大きくすると割れやすい品種で育てずらいこともあったために品種改良があったそう。

カニ入り餡掛け

 初めて山のてっぺんで島田さんがその小かぶを生のまま食べたところあまりの美味しさにこれをきっかけに野菜づくりに興味を持ち始めたほどのお野菜なんだそうです。甘味が強くて肉質が緻密。前回の東寄席の御料理では、小かぶの間引き菜も一緒に召し上がっていただきましたが、菜ごと美味しいこの野菜は余すところなく旨さが引きたちます。今宵の一品、カニ入り餡掛けもキメが細かくしっかり出汁をしっかりと含んだ上品な美味しさに。口に運ぶごとにお客様の笑顔が広がりました。「日本疏菜(そさい)原種審査会」の小かぶの部で十年間も最優秀賞を受賞した名実共に最高峰の伝統小かぶです。

落語を楽しむ

開口一番 『初天神』柳亭市若

 いがぐり坊主の市若さん。柳亭市馬師匠のお弟子さんです。実はオランダ・アムステルダム出身で、日本大学大学院生物資源科学研究科を修了されたという異例な経歴をお持ちの市若さん。話せば含蓄があるなんていう噂も耳にします。とはいえ堅物なところなど一切見せずに会場はその朗らかに纏う風貌に一気に親しみを覚えます。演目は「親がだらしねえと子が惨めだ」とおねだりと生意気ばかりいう子どもと、閉口しつつも一歩上手な親父が初天神へ詣でる『初天神』。右から左から美味しそうな出店に気を散らし、心惹かれる子どもの姿に会場は笑いっぱなしの一幕を愉しみます。演目が終わる頃も「話す前から貫禄があったね」といったお客様のお声。これからの市若さんに期待が高まります。

一席目 『目黒のさんま』柳亭市馬

柳亭市馬

 続いてお楽しみ市馬師匠。お待ちかねの師匠の登壇に盛大な拍手で会場が出迎えると「戦後最大級の拍手でありがとうございます。」といって早速会場を和ませます。

小さん師匠のお弟子さんであった柳亭市馬師匠。その芸当は本寸法の正統派でありながら、「美声の持ち主」としても知られています。
枕では相撲の行司で「ひがーーーーーーーしーーー。稀勢のーーーーーーさーーーとーーーー・・」と響く声で真似をして、拍手喝采。おもわず市馬師匠も「落語よりこの方がいいって?お好みならやりますよ」と言って笑わせます。相撲にちなんで甚句(じんく)を聴かせれば「は~、どすこいどすこい」と観客席から合いの手が。会場は市馬師匠の粋な世界に惹きつけられ思わず唸り声があがるほど。

柳亭市馬

 演目の前には小さん師匠が園遊会に招かれ昭和天皇と挨拶を交わした頃のお話も聞かせて大爆笑を誘います。
市馬師匠の話しには決してイタズラ心や悪気なんてのも見せようとしないのにこれほどまでに見る人をお腹の底から沸き起こる笑いに変えます。穏やかにハリのある声と心地よい声量。同じ目線の語りぶりが余計会場を酔わせるよう。粋という字をまだ知らぬ若いひともきっとこの噺をひとつ聞けばこの魅力にハマってしまうのではないでしょうか。

そんな市馬師匠の待望の演目は旬の『目黒のさんま』。
子どもから大人まで大好きなあの噺は火鉢でよく焼けたうまそうな炭の秋刀魚の脂の乗った香りが師匠の声に乗って流れてくるよう。
秋刀魚はかつて下魚と言われた魚ですが「黒くて細い、まだ脇腹にチューポーチューポー消し炭がついている。」なんて言われて涎を垂らさぬ日本人はそういないことでしょう。どこからか煙の匂いすら想像力を働かせてしまいます。秋の旨さをここでも堪能。「日本橋魚河岸。なに?そりゃいかん。秋刀魚は目黒に限る!」思わずいっしょになって口ずさんでしまいそうなほどにのめり込むお客様もいらっしゃるほど、美味しい秋の味覚をここでもいただき、会場は大満足の一興を楽しみました。

  • 柳亭市馬
  • 柳亭市馬

〜仲入り〜

二席目 『猫の災難』柳亭市馬

 「待ってました!」といって二席目も盛大な拍手が市馬師匠を迎えます。
「酒(さけ)なくて何が己の桜かな」とまた今宵にぴったりな句を詠んで唸らします。
酒が好きな人間にとって、酒が百害あって一利無しといわれりゃなんとか理屈をつけてでも手が伸びるもの。二席目もそんな席にお似合いの『猫の災難』。 ご近所で飼っている猫の病気見舞いで余った頭と尻尾だけ余った鯛をもらった熊五郎、これを肴にのみてぇなあとやる。そこへ来た兄弟がいっぱいやろうと誘い出し腹身が無いと知らずに鯛を見て酒を買ってくるという。棚からぼた餅のようなせこい噺なわけです。兄弟が酒を買ってくれば隣の猫が魚の切り身を咥えていったといって、魚を買いに行かせて、酒を片手にお留守番。味をしめて猫のせいにしてお酒をぐびぐび飲み干してしまう。陽気でへべれけな男の言い訳が堪らなく腹のあたりをくすぐり笑わす。なによりも高座に座ってらしている市馬師匠がまるでいま、一緒に隣でお酒を酌み交わしているような気持ちにまでさせ、客席に居ながらにして心地よく酔う。可笑しくて可笑しくて、目尻の涙抑えながらその愉快なひとときをお楽しみいただきました。

  • 柳亭市馬
  • 柳亭市馬
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本日の日本酒「福禄寿酒蔵」さんのお酒

本日の日本酒「福禄寿酒蔵」さんのお酒
演舞場の美味を楽しむ

 この日ご紹介する秋田の福禄寿酒造は1688年、今から330年前の江戸末期の創業で、社屋も有形文化財の指定を受けているほどの老舗の蔵です。そんな歴史を背負う現当主が16 代目の渡邉康衛さん。2006年に新ブランド「一白水成」を立ち上げ今まさに、温故知新から切り開くパイオニアともいえます。

演舞場の美味を楽しむ

 白い米と水から成る一番旨い酒で一白水成。「故事成語のこじつけですが」と語りますがシンプルに込めるその米と水の旨さから成る一番うまい酒を作り、その旨い四種を紹介いただきました。

(写真右から)

○一白水成 良心 特別純米
注目の新星「一白水成」のスタンダードです。限りなく純米吟醸に近いクオリティの高い特別純米酒です。口にした瞬間辛味のインパクトを帯びそのあと広がる豊かな香りとフルーティーさ。非常に満足度の高さを感じる秀作です。

○一白水成 サンデーバックナイン 純米吟醸
サンデーバックナインはゴルフの造語のようで、トーナメントの最終日の勝敗を決する日曜日の最終9ホールのことです。 飲み飽きしないこの美味しさは一週間頑張ったご褒美にいただきたい美味しさです。

○一白水成 PUREMIAM 純米大吟醸
秋田酒こまちをつかってつくった特別な1種。地元農家10名と発足した酒米研究会によって酒米を栽培していて日々意見を交わしながら成分データを分析公開しながら作った一酒です。淡い雪のような舌触り、味わい豊かな純米大吟醸です。

○一白水成 貴醸酒(未発売)
水ではなく、酒で酒をしこんだというまろやかな貴醸酒は未発売のお酒。発売は11月下旬を予定しているその美味しさをいち早く味わいました。甘さを兼ね備えながらもすっきりとフルーティな味わいが頬の中に広がります。ボトルデザインも現在制作中の特別な一杯を手に幸せな笑顔が広がりました。

お楽しみ抽選会を楽しむ

 この日お召し上がりいただいたTYファームのお野菜やお酒のほかに福禄寿酒蔵さんの前掛けなど豪華賞品を抽選でプレゼントしました。実はこの前掛けは、福禄寿酒造と同じ秋田県五城目町に下請製造会社のあるEDWINさんとの共同制作。デニム素材でとても渋い仕上がりです。また、市馬師匠のサイン色紙や手拭いなどどれをとっても豪華で、会場は大いに盛り上がりました。

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

 
 さて次回は2017年11月27日(月)、古今亭文菊師匠の独演会です。どうぞお楽しみに。

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