演舞場発 東寄席 第四十九回

演舞場発 東寄席 第四十九回 2019年3月29日(金)

第四十九回『落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第四十九回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家三三

桜の見頃となりました。今宵は柳家三三師匠を高座にお迎えし、花冷えの夜の「東寄席」を笑いであたためていただきました。

お食事は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、神奈川県足柄上郡の中沢酒造さんの「松みどり」。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、本日の伝統野菜のらぼう菜の酢味噌掛け。

八寸は、いくらおろし、玉子焼、いかの塩辛、白魚と川海老の佃煮、花蓮根甘酢漬け、甘海老の唐揚げ、もろこ佃煮、ローストポーク、揚げ鶏皮餃子。

煮物に、蒟蒻、高野豆腐、里芋、ブロッコリー、人参、筍。

主菜には鯵の西京焼にレモンと大根おろしを添えて。

茶そばの後は、オレンジとキウイフルーツの盛合せで締めていただきました。

落語を楽しむ

開口一番『たらちね』柳家小ごと

本日の開口一番をお勤めいただいたのは、柳家小ごとさん。柳家一琴師匠のお弟子さんです。

根多は「たらちね」。
独り身の八五郎はある日大家に縁談話を持ちかけられます。しかも相手は年若で器量も良い。うますぎる話を疑り、そのお嬢さんには「瑕」があるのでは? と問いただす八五郎ですが......。
学者の子として育ち言葉が馬鹿丁寧となってしまった娘と素朴で粗野な人柄の八五郎。どちらも真っ直ぐな性格ゆえに生じるすれ違いのおかしみに会場がほぐれます。

一席目『火事息子』柳家三三

『火事息子』柳家三三

会場の雰囲気もほぐれたところで、本日の主役、柳家三三師匠のご登場です。
古典落語の語り手として若手筆頭格とも称される三三師匠。気負いのない飄々とした登場の後、リラックスした会場の空気はそのままにご自身の空気を作り上げていきます。

一席目は「火事息子」。
江戸落語の中でも大ネタの一つとされる演目が飾り気なく噺し始められます。
言葉尻を巧みに省略したり、言い淀みなどを駆使してテンポと江戸っ子の気質を演出する三三師匠の手腕に会場は魅了されました。

〜仲入り〜

二席目『長屋の花見』柳家三三

仲入りの後、再度の登場を待ちわびた拍手に熱がこもります。
相変わらずの飄々とした出で立ちで笑いを作ると、早速始まったのは「長屋の花見」。

長屋の連中の滑稽な花見を描いた演目ですが、花見だけあり登場人物は多数。

それぞれの言葉を絶妙に区切り、意味を伝えつつ全ては言い切らないことで、大人数の雰囲 気やドンチャン騒ぎの滑稽さを軽やかに表現する三三師匠。花の見頃に花冷えとあった今宵を「長屋の花見」で見事にあたためていただきました。

『第四十九回 落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家三三

江戸伝統野菜を楽しむ

後関晩生小松菜

今宵も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、「短めにお願いします」と釘を刺されつつ、美味しいお野菜をご紹介くださいました。

本日の江戸伝統野菜は、先付けに酢味噌掛けとして出されたのらぼう菜。
実は「東寄席」、今宵と明日、初めての連日開催と相成りました。
とはいえ、今日も明日もいまが美味しい季節の野菜はのらぼう菜。そこで本日は、西東京生まれの歴史ある野菜の、特に葉っぱの部分を使ったお料理が用意されました。

お酒を楽しむ

  • 中沢酒造さん

今宵のお酒を提供していただいたのは神奈川県足柄上郡松田長の中沢酒造さん。

1825年に創業され、小田原藩の御用商人として大久保家に出入り。藩公より松田周辺の景勝に因んだ酒名「松美酉」を賜ります。
本日のお酒はその名を引き継ぐ「松みどり」。長い時間、素直に丁寧に、「こびず、おごら ず」をモットーとした酒造りを心掛けているとのこと。
ご挨拶いただいた蔵元の人柄からも、そうした心掛けが垣間見えました。

本日の日本酒

(写真右から)

松みどり 特別純米 生酒

春季限定の純米酒。バランスに優れ、常温で飲むのに適したお酒です。

松みどり 特別純米 火入れ一回

こちらは火入れをしたもの。フレッシュさが抑えられたぶん、甘みが引き立ちます。

松みどり 亮 さくら酵母 特別純米

河津桜を酵母に使用した、春らしい一品。

松みどり S.Tokyo 純米吟醸

モダンなラベルですが、100年以上前の酵母を使用した伝統ある一品。

お楽しみ抽選会

  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会
  • お楽しみ抽選会

最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。 OmeFarmさんからは、のらぼう菜やお届けお野菜セット、演舞場からはサイン入りポスター。
中沢酒造さんからは手拭いと前掛け。
そして三三師匠からは色紙とご監修された書籍をご提供いただきました。
今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回は2019年3月30日(土)、「柳家さん喬 独演会」です!どうぞお楽しみに!

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