演舞場発 東寄席 第五十四回 2019年5月30日(木)
第五十四回『落語と日本酒と伝統野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
このところは寒暖差が大きく、天候も落ち着かない日々でしたが、今宵は快晴の過ごしやすい一日となりました。
元号が改まった最初の月の「東寄席」。高座には人気、実力ともに折り紙付きの柳家喬太郎師匠をお迎えしました。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、初めてのご紹介、信州上田の岡崎酒造さん。
それでは振り返りをご紹介いたします。
演舞場の味覚を楽しむ
本日の演舞場のお料理
高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。
先付けには、本日の伝統野菜スナップエンドウの落花生和え。
八寸には、ローストポーク、一口昆布、冷奴の青のり酒盗のせ、烏賊の軟骨レモンゼリー寄せ、しゅうまい、紅生姜入りすり身団子、揚げ山芋、梅しそ竜田揚、揚げ鶏皮餃子に玉子焼、海老の芝煮。
煮物に、蒟蒻、明月がんも、筍、花人参、ブロッコリー。
向付は鮪と鯛の刺身をご用意しました。
主菜は鰆の雲丹焼にしじみの佃煮とはじかみを添えて。
帆立の炊込みごはん、枝豆真丈、板麩と三つ葉と柚子の吸い物の後には、さくらの風味を生かしたジェラートをお召し上がりいただきました。
落語を楽しむ
開口一番『初天神』三遊亭ぐんま
本日の開口一番をお勤めいただいたのは三遊亭ぐんまさん。三遊亭白鳥師匠のお弟子さんです。
その名のとおりご出身は群馬県。その群馬を話題とした枕に会場は温まります。
さらにはその後に演じていただいた『初天神』にも、群馬にちなんだくすぐりが織り交ぜられており、すっかり会場をぐんま色に染め上げてしまいました。
一席目『粗忽長屋』柳家喬太郎
さて、大きな拍手とともに柳家喬太郎師匠のご登壇です。
改元という時事ネタを扱った枕に会場は抱腹絶倒。あっという間に喬太郎ワールドに引き込む流石の話芸は圧巻でした。
そんな喬太郎師匠の一席目は『粗忽長屋』。さりげなく時事ネタからの流れを引き継ぎつつ、粗忽者が題材となる落語の中でも非常に難しいとされる演目を軽快に演じていただきました。
〜仲入り〜
二席目『居残り佐平次』柳家喬太郎
仲入りをはさみ、二席目を待ちわびた会場からはふたたびの大きな拍手。
喬太郎師匠の選んだ二席目は『居残り佐平次』。
スリル満点、痛快な廓噺の異色作。情景が思い浮かぶような見事な話芸に会場は夢中となります。極上のエンターテイメントに思わず手を叩いて喜ぶお客様も見られました。
オチの後のこの日一番の拍手には、すっかり楽しみながらも名残惜しい気持ちが混じっていました。
江戸伝統野菜を楽しむ
本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しいお野菜をご紹介くださいました。
本日の伝統野菜は昨日に引き続きスナップエンドウ。種ごと頂く、まさに命を頂くスナップエンドウはいまが旬。甘くて美味しいスナップエンドウは次回にはご提供できないとのこと。
ここだけの話、直前にスナップエンドウを試食されている島田さんを偶然お見かけしましたが、「我ながら旨い!」と自画自賛。栽培、収穫、そして会場の皆さまの前に並ぶまで野菜をしっかりと見守る島田さんに感銘を受けました。
お酒を楽しむ
今宵のお酒を提供していただいた岡崎酒造さんをご紹介いただいたのは、神奈川県厚木市でお店を営む望月酒店さん。
岡崎酒造さんは寛文五年(一六六五年)創業の永い歴史を持つ酒蔵。その歴史に裏付けられた伝承の技を損なわぬよう、いまもなお小さな蔵でひとつひとつ手造りしておられます。
(写真右から)
信州亀齢 美山錦 純米吟醸酒 無濾過生原酒
華やかな香り、軽快な甘みを持ちつつ、爽やかで食中酒にも適しています。
信州亀齢 山田錦 純米吟醸酒
香りと甘みに加え、豊かな味わいを持った純米吟醸。
信州亀齢 ひとごこち 純米酒
長野県産「ひとごこち」で仕込んだキレのある一品。
信州亀齢 山恵錦 純米吟醸酒
長野県が開発した酒造好適米「山恵錦」を使った純米酒。
お楽しみ抽選会
最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。
演舞場からは柳家喬太郎師匠のサイン入りポスターと観劇招待券。OmeFarmさんからはスナップエンドウとお届けお野菜セット。岡崎酒造さんからはオリジナルのTシャツをはじめとしたグッズ。そして権太楼師匠からは四枚の可愛らしいイラスト入りの色紙をご提供いただきました。
今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回は2019年6月28日(金)、「三遊亭白鳥 独演会」です! どうぞお楽しみに!