演舞場発 文化を遊ぶ 第十四回

第14回 演舞場発 文化を遊ぶ 第11回
なでしこの踊り・夏2019

なでしこの踊り・早春 2019
なでしこの踊り・早春 2019

 
ご好評いただき十一回目の開催となりました東京新橋組合とのコラボレーション企画、新橋芸者衆 若手連中による「なでしこの踊り」。

食と芸の粋を楽しむ、日本を遊ぶ文化の宴。
今回は舞台を一新し、今まで以上に踊りを堪能していただきました。

それでは振り返りをご紹介いたします。

出演芸者衆のご紹介

【一組】

  • 小優さん

    小優さん

  • 小花さん

    小花さん

  • 小福さん

    小福さん

  • あやさん

    あやさん

【二組】

  • 春千代さん

    春千代さん

  • たまきさん

    たまきさん

  • 清乃さん

    清乃さん

  • あやさん

    あやさん

本日の特別会席

新橋花柳界の流れを汲む新橋演舞場の調理場による特別会席をお楽しみ頂きました。
酷暑が続いております。夏らしい涼しげな御膳をご用意しました。

本日のお料理

八寸には、夏野菜の旨塩だれ、玉子焼、海老芝煮、花蓮根甘酢漬け、湯引き鱧、叩き梅肉添え、一口鰊昆布、アスパラガスベーコン巻。

焼物は、銀だらの西京焼きに牛肉の時雨煮と雲丹烏賊金指添え。
向付は鮪、蛸のたたき、甘海老。

多喜合わせは、蒟蒻、一口がんも、里芋、ブロッコリー、筍、花人参。

五穀と梅しそのふりかけご飯と、湯引き鱧、板麩、三つ葉、柚子の留椀の後には、演舞場オリジナル さくらジェラートをお召し上がりいただきました。

芸者衆による よもやま話と踊り解説

演目の披露の前に、大きいお姉さんに踊りの解説とそれに併せたよもやま話をご披露いただきました。

あやさんと

踊りの解説の枕としてご披露いただいたのは、あやさんが新橋で芸者になろうと思ったきっかけについてでした。それは新橋の花街がもっとも隆盛していた時からすればやや落ち着いた頃、まり千代さんの踊りを見たこと。「第13回 演舞場発 文化を遊ぶ 第10回 なでしこの踊り・早春2019」においても、加津代さんによるよもやま話で名前の出たスター芸者まり千代姐さん。その名前の登場に大きく頷く通なお客様も幾人かおられました。

踊りの解説は後に紙幅をさきますのでここでは割愛しますが、その他にも、肌襦袢のえりを片方だけ見せるのは、夏の新橋芸者特有の着方であることなど、粋な小噺を幾つも頂戴しました。

なでしこの踊り

常磐津「夕月」

  • 常磐津「夕月」
  • 常磐津「夕月」

江戸時代、大阪と京都を結ぶ淀川で、水上交通の要として発展した早船の船頭を主題とした舞踊です。
現代では船頭の表現として団扇を巧みに使った踊りが、主に江戸前で披露されます。

端唄「六段くづし」

端唄「六段くづし」 端唄「六段くづし」

箏曲の古典「六段の調」を端唄にしたものが「六段くづし」。
菖蒲の花を小道具に、若手三人が艶やかに舞いました。

小唄「さつまさ」

  • 小唄「さつまさ」
  • 小唄「さつまさ」

名前のとおり、舞台は鹿児島薩摩国。港の遊郭へと船を走らす船頭衆とそれを待ちわびる茶屋の女衆の風情を唄ったあだなの小唄です。手ぬぐいを用いて、男女の所作を踊り分けます。

小唄「からかさ」

  • 小唄「からかさ」
  • 小唄「からかさ」

女心の機微を表現した愛らしい小唄です。
唐傘を用いて、淑やかでありながらも強い感情を表現します。

端唄「ステテコ節」

端唄「ステテコ節」 端唄「ステテコ節」

明治初期、幇間や噺家が戯れに踊ったものが発端で、その後、花柳界に広まり定着した端唄です。
江戸から明治にかけってのお座敷の雰囲気や大衆芸能の様子をコミカルに、かつ活き活きと描きます。

端唄「並木駒形」

  • 端唄「並木駒形」
  • 端唄「並木駒形」

吉原遊郭界隈の風情を描写した端唄です。今宵は新橋花柳界に唄の文句を書き換え、当時の華やかな雰囲気を表現します。

端唄「奴さん・ししは・さわぎ」

端唄「奴さん・ししは・さわぎ」
端唄「奴さん・ししは・さわぎ」

 
出演者総出となりまして、花柳界では定番となる端唄三曲をメドレーでお楽しみいただきました。

扇を用いた「さわぎ」は、元々吉原で演奏されていた時よりも早めのテンポが新橋流。締めにふさわしい華やかな舞いとなりました。

お座敷遊び

  • ギッチョンチョン節 「ギッチョンチョン節」
  • 虎けん 「虎けん」

さて、「なでしこの踊り」を堪能して頂いた後は、お客様にお座敷遊びを体験していただきました。
座りながらでもできる簡単な振り付けの「ギッチョンチョン節」はすべてのお客様に、お座敷遊びの定番「虎けん」には立候補されたお客様を代表に、他のお客様はその方の応援として、どちらもみなさまに楽しんで頂きました。

芸者衆との交流タイム

お座敷遊びのあとは、芸者衆が会場を回る交流のお時間です。
記念写真を撮ったり、質問や踊りの感想を頂戴したりと、思い思いに芸者衆とのふれあいの時間を楽しまれました。
また、本日の演目で使用した曲が入ったCDをかけてのじゃんけん大会も行われ、会場は大いに盛り上がりました。

  • 端唄「並木駒形」
  • 端唄「並木駒形」
端唄「並木駒形」

最後は芸者衆とお姐さん方からのご挨拶と、手締めで締めくくりとなりました。
芸者衆の成長を見守ることができるのも、なでしこの踊りの楽しみ。
是非ご贔屓の芸者さんを見つけて、東をどりにも足をお運びください。

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