演舞場発　東寄席　第六十九回

演舞場発東寄席第六十九回 2020年1月30日（木）

第六十九回東寄席、『落語と日本酒と有機無農薬野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第六十九回　落語と日本酒と有機無農薬野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家三三独演会

昨日に引き続き春の陽気の一日となりました。

今宵、高座にお迎えしたのは東寄席四度目のご出演、本格的な古典落語の筆頭格である柳家三三師匠です。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、茨城・筑波の来福酒造さん。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、蒸しバターナッツ南瓜の大豆そぼろ餡かけ。

八寸には、玉子焼、筍と蕗の白和え、花蓮根甘酢漬け、紅白なます、鮪メンチの串かつ、しゅうまい、ミニクリームコロッケ、ほうれん草の胡麻和え、牛ハラミ肉味噌焼き。

煮物に一口さつま揚、蒟蒻、里芋、オクラ、花人参。

向付は鮪の刺身と焼霜帆立をご用意しました。

主菜は赤魚の煮付けに焼き長ネギを添えたもの。

きのこの炊き込みご飯と、かに真丈、三つ葉、板麩、柚子の吸い物のあとには、ふわふわのロールケーキとオレンジをお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

開口一番『たらちね』柳亭市松

本日の開口一番をお勤めいただいたのは、柳亭市馬師匠のお弟子さんである柳亭市松さん。

ご披露いただいた演目は『たらちね』。
聴きやすい声色、ゆったりとした落ち着いたテンポで話される市松さん。大家に「罪がない」と言われる八五郎の人柄にぴったりとはまっていました。

一席目『かぼちゃや』柳家三三

大きな拍手の中、ご登壇された柳家三三師匠。

大のジブリファンである三三師匠が12月に『風の谷ナウシカ』を観に来られた時、今日の告知ポスターに完売シールが貼られていなかったので、数名しかいないのではと不安だったとか。もちろんそんなことはなく今日も大盛況です。

ところで、本レポートでは、この後に掲載していますが、東寄席で最初にお話いただくのは江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんです。
東寄席に何度かお越しいただいているお客様でしたらピンとくるかもしれません、枕で三三師匠は島田さんのお話のある点について愛あるいじりをされ大きな笑いを誘います。
それに続きご披露いただいた一席目が『かぼちゃや』。今宵、島田さんがお持ちくださったお野菜がバターナッツ南瓜という変わり種のかぼちゃでしたから、なんともにくい演出です。
古典落語の筆頭格の芸に客席は大いに湧きました。

〜仲入り〜

二席目『質屋蔵』柳家三三

仲入りをはさみ、ふたたびの大きな拍手、「待ってました！」という掛け声の中ご登壇された三三師匠。

二席目にご披露いただいた『質屋蔵』に通ずる枕には見事な風刺があり、古典落語の筆頭格であることはもちろん、こうした巧みな風刺もまた三三師匠の大きな魅力です。

さて『質屋蔵』。元々は上方の根多とされている古典の演目です。
お化けが登場する演目は珍しくありませんが、『質屋蔵』、少々あらすじをご説明するのがむずかしく、その理由にさまざまな方向に話が逸れてしまうことがあります。
三三師匠はさすがの腕前で、そうして話が逸れてしまうことから見事な笑いを生み出し、それが重なる中盤にはスクリューボール・コメディのような可笑しみに客席は抱腹絶倒となります。

下げが目まぐるしい展開に忘れかけていた枕の話に通ずると、今宵いちばんの拍手が客席からは送られました。

江戸伝統野菜を楽しむ

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しい有機無農薬野菜をご紹介くださいました。

本日の野菜は前述した通りバターナッツ南瓜です。
昨日はシンプルに蒸すことでバターナッツ南瓜の持つ独特の甘みをお楽しみ頂きましたが、今宵は大豆のそぼろ餡かけとして先付けにご提供しました。この調理法には島田さんにも感心していただきました。