演舞場発 東寄席 第七十回

演舞場発 東寄席 第七十回 2020年2月13日(木)

第七十回東寄席、『落語と日本ワインと有機無農薬野菜を楽しむ会』にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。

『第七十回 落語と日本ワインと有機無農薬野菜を楽しむ会in新橋演舞場』柳家さん喬独演会

一年で一番寒いとされる時節ですが、先月に続き今宵もまたあたたかな夜となりました。

節目の回は恒例となっております、第七十回東寄席の高座にお迎えしたのは当寄席最多出演の柳家さん喬師匠。
お料理と共にお楽しみいただいたお酒は、山梨・勝沼の勝沼醸造さんの日本ワイン。
それでは振り返りをご紹介いたします。

演舞場の味覚を楽しむ

本日の演舞場のお料理

本日の御料理

高座と日本酒を楽しみながらお召し上がりいただくお料理は、新橋料亭街伝統の味を受け継ぐ演舞場の調理場でご用意させていただきました。

先付けには、蒸しバターナッツ南瓜。

八寸には、玉子焼、切り干し大根、紅生姜入りつくねの串刺し、明太子、金平牛蒡、鶏もも肉チーズ大葉巻き、鶏竜田揚げと長芋、南瓜、ごろごろ野菜の甘酢あん掛け。
煮物に一口がんも、蒟蒻、里芋、筍、オクラ、花人参。

向付は鮪と鰤の刺身をご用意しました。

主菜は太刀魚の辛みそかけにほうれん草の胡麻和えを添えたもの。

ちらし寿司と、かに真丈、三つ葉、板麩、柚子の吸い物のあとには、抹茶わらび餅とミニ大福をお召し上がりいただきました。

落語を楽しむ

開口一番『子ほめ』三遊亭歌つを

開口一番『子ほめ』三遊亭歌つを

本日の開口一番をお勤めいただいたのは、三遊亭歌奴師匠のお弟子さんである三遊亭歌つをさん。

ご披露いただいた演目は『子ほめ』。
ただ酒欲しさに隠居のところへやってきた八五郎が、せっかく世辞の言い方を教わるも頓珍漢を繰り返してしまう。
よく知られた前座噺ですが、威勢がよくメリハリの効いた歌つをさんの語り口に客席は湧きました。

一席目『抜け雀』柳家さん喬

一席目『抜け雀』柳家さん喬

さて、待ってましたとばかりの大きな拍手の中、本日の主役、柳家さん喬師匠にご登壇いただきました。

世間話から、開口一番を勤めていただいた三遊亭歌つをさんの『子ほめ』がとても受けていたことに言及され、あまり浮かれてはならないと笑いを交えつつ釘を刺す場面も。
その流れで、噺家の修行期間の厳しさをお話しされたあとにご披露いただいた演目が『抜け雀』。

才能ある若い絵師が、修行期間を経て師である父のもとに戻るまでの噺ですが、当の絵師は冒頭と結末にだけ、そしてその師もわずかにしか登場しません。
主人公と言える人物は、若い絵師に、宿賃の代わりに雀の絵を置いていかれた人の良い宿屋の夫婦と、その雀の絵。

風変わりな設定だけに、卓越した描写なくしては感情移入が難しい噺に思えますが、さすがはさん喬師匠、そこにはない絵から飛び立つ雀に客席はすっかりと魅了されました。

〜仲入り〜

二席目『幾代餅』柳家さん喬

二席目『幾代餅』柳家さん喬

仲入りをはさみ、ふたたびの大きな拍手。『抜け雀』にすっかり魅了された客席からは、次はどんな演目を聞かせてくれるのかという期待がその手にこもります。

ところでさん喬師匠、ワインのことも大変お詳しく、ソムリエの独特の仕草を模写しつつ、いろいろなお話をしてくださいました。
というのも、今回は『落語と日本ワインと有機無農薬野菜を楽しむ会』。落語の演目には日本酒がつきものですが、話芸の名人とあって、ワインにも精通されていることに驚きました。

二席目の演目は『幾代餅』。
これは勘繰りかもしれませんが、一席目は絵と親子の絆の噺、そして二席目は身分を超えたラブロマンス。芸事にまつわる色気のある演目は、さながら優れた映画を観ているような陶酔感があり、ワインと大変合っていたように感じます。

客席との「間」を感じ、同じ場所で同じ空気を吸うことに重きを置いてらっしゃる師匠の芸だからこそ、そのように感じられたのかもしれません。
深い感動と称賛の混じった拍手によって、節目である第七十回東寄席の落語会はお開きとなりました。

江戸伝統野菜を楽しむ

本日も、江戸東京野菜コンシェルジュの資格を持つOmeFarmの島田さんが、美味しい有機無農薬野菜をご紹介くださいました。

本日の野菜は好評につき、先月に続いてバターナッツ南瓜です。
シンプルに蒸すことで引き出したバターナッツ南瓜の持つ独特の甘みはワインにも合い、今宵も大変好評でした。

お酒を楽しむ

  • 望月酒店さん
  • 勝沼醸造さん

今宵のお酒を提供していただい勝沼醸造さんをご紹介いただいたのは、神奈川県厚木市でお店を営む望月酒店さん。

勝沼醸造さんからお越しいただいたのは有賀淳さん。社長である有賀雄二さんのご子息は三兄弟ともにそれぞれが勝沼醸造の業務に携わっており、次男の淳さんは営業担当とのこと。
創業が一九三七年と歴史のある蔵元の目から見た日本ワインの現在、そのお話とも関係する個性的なラベルのこと、そして山梨が誇るぶどう「甲州」のことなどをお話し頂き、ワインにかける熱い思いが伝わってきました。

本日の日本酒

(写真右から)

アルガブランカ クラレーゼ(白)

和食との相性も良い、透明度の高い白ワイン。

アルガーノ 露是(ロゼ)

ふくよかな味わいの後、フレッシュな風味が感じられるロゼワイン。

アルガーノフォーゴ(赤)

食中酒としても優れた、控えめで優しい味わいの赤ワイン。

お楽しみ抽選会

  • 柳家さん喬さんのサイン入りポスター
  • OmeFarmさんのお届けお野菜セット
  • 勝沼醸造さんからはこだわりのラベルをモチーフにしたお洒落なTシャツ
  • 柳家さん喬さんのサイン色紙

最後は東寄席恒例の「お楽しみ抽選会」です。
演舞場からは柳家さん喬師匠のサイン入りポスターに観劇チケットを数種。OmeFarmさんからはお届けお野菜のセット。勝沼醸造さんからはこだわりのラベルをモチーフにしたお洒落なTシャツ。そしてさん喬師匠からは素敵な色紙をご提供いただきました。

今回も満員御礼、大盛況のうちに幕を閉じた『東寄席』。
次回もどうぞお楽しみに!

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